「言説」っていうフーコーっぽいおフランス製っぽい言葉を使わないようになったのも、実を言うと、この頃の「セクシュアリティ」や「ジェンダー」といった概念がまだ定義も明確でないぐらいの頃だったことから、訳語も訳者によってまちまちで「性的指向」とか「性的志向」とか明らかに誤訳の「性的嗜好」まで、あるいはそもそも、そのどちらの訳語も「セクシュアリティ」と「ジェンダー」の両方で使ってるぐらいに、要するにまだ定義が甘く曖昧過ぎてしまってた頃。
「性対象」っていう言葉も、好みのタイプや「異性」に相当する意味とか、嗜好と似てるだとか、明らかに概念的に混乱してた頃で、だからこの手の言葉の使用が避けられてた。ゼロ年代がアメリカニズムの時代だったからそう言ってたわけじゃない。むしろアメリカでも研究中の真っ最中ぐらいの頃だった。
は?
本当はそうだったの。アメリカもこの頃にこの手の概念に懸命の頃だったむしろ。ちなみに「セクシュアリティ」は次第に「ジェンダー」と「性自認」「性対象」「社会的性差」などに概念的に一本化されていき、さほど使われなくなっていった。ちなみに今では「ホモセクシュアリティ」とその対概念として後から作られた「ヘテロセクシュアリティ」つまり異性愛の両方をまとめて抽象化した意味として考えられているらしい。
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